良い生地(毛織物)を判断する3つのポイント

スーツ

良い生地の判断て難しいですよね。ですが、ショップや通販で購入するにあたり、POPや説明文、商品についている品質タグや織りネームを確認することである程度の品質を判断することができます。ここでは以下のポイント3点が記載されていた場合、その判断の材料の一つとして商品の良し悪しがわかるためご参考いただければと思います。

原毛

スーツの生地はウールで構成されていることが大半です。ウールは繊維が細くなればなるほど手触りがよくなり高級な細い糸を紡績しやすくなります。

そして、原毛の良し悪しの判断においては「 ’s 」、「 ミクロン 」、「ファインウール 」で判断することができます。

「 ’s 」は羊毛の太さを表す単位です。読み方はそのまま「 エス 」。また「 ミクロン 」で毛の直径も表示します。(原毛取引にはミクロンが使用される)

この「 ’s 」はIWTO=国際羊毛繊維機構で基準が定められていて、

Super 80’s  19.5 micron

Super 100’s 18.5 micron

Super 120’s 17.5 micron

Super 150’s 16.0 micron

というようになっています。数値が上がれば太さが細くなります。

スーパーとは、繊維の太さ(平均繊度)であって、糸の太さを表すものではありません。「 スーパー 」表示を初めて使用したのはドーメルとされ、かつてはメーカーによって誤差がありましたが、上記の通りで統一されているようです。

そして、ミクロンで格付けがされ、

ファイン(Super 80〜90)

スーパーファイン(Super100〜)

エキストラスーパーファイン(Super 120〜)

と分かれています。

「 糸 」も原毛同様、番手が高い程細くなり、高級となります。

番手とは糸の太さを表す単位で、「 恒重式番手 」「 恒長式番手 」があります。

恒重式番手=重さあたりの長さとして計算する糸の太さ表記法

番手の数値が大きくなるほど糸は細くなります。

【ウール糸】=メートル番手

重さ1kg(1,000g)あたりの長さが1km(1,000m)の糸が1番手となります。

一般的なスーツの生地は50〜60番手の中番手と呼ばれるものが多く、70以上が細番手、90以上が極細番手となります。

【綿糸】=英式綿番手

重さ1ポンドあたりの長さが840ヤードの糸が1番手となります。

【麻】

重さ1ポンドあたりの長さが300ヤードの糸が1番手となります。

恒長式番手=長さあたりの重さとして計算する糸の太さ表記法

番手の数値が大きくなるほど太くなります。表記は「デニール」と「テックス」の2つです。

【デニール】

絹糸や合成繊維(フィラメント糸)の太さを表します。

長さ9,000mあたりの重さが1gのものを1デニール

【テックス】

素材や紡績法によらず統一表記法として用いられています。

長さ1,000mあたりの重さが1gのもを1テックス

織物

いわゆる生地そのものですね。織物はその「 織り密度 」と「 目付 」で判断します。

「 織り密度(打ち込み本数) 」

一般的な生地の幅150cm × 100cm中に何本の糸が織られているかという基準です。

数が多ければ多いほど「しっかりした生地」に仕上がります。しかし、打ち込みがしっかりしすぎても生地がごわついてしまう原因にもなるので、一概に本数が多ければ良いとも限りません。更に、原毛が太いものでも織りが甘ければけっこう柔らかく感じてしまいます。

「 目付 」(重量)

打ち込み同様に150cm × 100cmもしくは、1平方メートルあたりの重さをg(グラム)で表します。

生地の品質基準ののひとつには一定面積でどれだけの重量があるかという基準があり、これもまた大切なことです。先に記したように記事というのは、織りが甘ければこれを柔らかいと人は感じてしまいますが、重さはイコール原料の使用量なので、これで評価されます。

つまり、同じ糸番手や原毛の太さで目付が多ければ糸を多く使用しているということです。

いずれにせよ、原毛・糸番手・打ち込み・目付のバランスが大切になってきます。これはウールに限った話ではなく、他の素材でも同じですね。

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