フォーマルな靴、ストレートチップについて

革靴

この記事では、冠婚葬祭の時に合わせるフォーマルな革靴「ストレートチップ」についてご紹介します。

男性の冠婚葬祭の時に合わせる革靴といえば「ストレートチップ」ないし「 プレーントゥ 」だということは有名ですね。

ただ、思いませんか?

黒ならなんでもいいじゃん。

そもそもなんで黒?

ストレートチップやプレーントゥがフォーマルな理由って?

今回はストレートチップに絞ってこんな疑問を解消していきたいと思います。

疑問

  1. ストレートチップがフォーマルな理由
  2. 黒色がフォーマルである理由

以上の2点について考察していきましょう。

結論としては以下になります。

結論

  1. イギリス王室がルーツ
  2. 見た目が上品で清楚
  3. 相手への「 礼儀 」

ストレートチップとは?

まずストレートチップとはそもそもなんなのか?

どういった形なのかを見ていきましょう。

画像出典元:Trading Post

1番の特徴は上の写真のようにつま先に一直線のラインが入っている形のものです。

日本国内だと別名「一文字(いちもんじ)」とも呼ばれています。

そのほかにはストレートチップを略して「ストチ」、黒のストレートチップだと「黒スト」

海外では「 キャップ・トゥ 」と呼ばれていますね。

そしてストレートチップにはさらに「内羽根」と「外羽根」という種類があります。

「 内羽根 」と「 外羽根 」

画像出典元:洗濯、収納好きな男のブログ

「 内羽根 」は画像左のように靴ひもを通す穴の部分、「羽根」というパーツが甲の内側に収まっていて羽根が甲部と一体化したデザインに対し、

「 外羽根 」は画像右のように「羽根」が甲の外側に後付けされているようなデザインです。

外羽根は「 軍靴 」として採用された歴史があります。

羽根が広く開くので、靴の着脱が容易で実用性が重視されていることからカジュアル向けなデザインであると考えられているんですね。

そのため、同じストレートチップのデザインとはいえ「 内羽根 」の方がよりフォーマルシーンには適しています。

ストレートチップの歴史

ストレートチップの歴史には諸説あります。

内羽根はイギリス王室がルーツ

内羽根の紐靴は1853年に、7つの海を支配したイギリス史上最強の女王陛下ヴィクトリア女王の夫君であるアルバート公が考案したミドルブーツが起源という説が有力となっています。

画像出典元:Wikipedia

内羽根の紐靴は正式には「 Balmoral(バルモラル)」と言います。

アルバート公が好んだスコットランドの王室御用邸、「 バルモラル城 」にちなんでイギリスやアメリカでは内羽根の靴をバルモラルと呼ぶようになりました。

見た目が上品で清楚

内羽根の靴は構造上、羽根の開閉が外羽根よりも制限がありフィット感が劣るものの、その見た目はスッキリと上品で清楚にまとまります。

ストレートチップの誕生

そして19世紀後半になると靴のトゥ(つま先)部分を守るために、つま先に「 芯(トゥ・キャップ) 」が入るようになります。

ストレートチップの誕生です。

まだ製靴技術が未熟だった時代にアッパー(甲部分)1枚のプレーントゥでつま先を美しく仕上げるのがとても難しく、さまざまな工夫のうえ別の革を使ってつま先をくるむ仕様にすることで美しい形を作り出すことができたとのこと。

芯が入っておらず、つま先がクタっとしていると見栄えが良くないですよね。

革靴は長く履いていると履き皺ができて波打ってきますが、上記のように芯を入れることで一文字のラインより前に履き皺はつかず、つま先の美しさが保たれます。

ストレートチップの特徴である一文字のラインは靴職人がその芯を入れる際の目安とした線がデザインとして取り入れられたという説があります。

イギリス王室がルーツで相手に配慮した、より美しく見せることによって考案されているので、他のデザインよりも格式高くフォーマルなんですね。

なぜ黒なのか?

ここまででフォーマルシーンには「 内羽根ストレートチップ 」が適しているということがわかりました。

では、色はなぜ黒なのか?

フォーマルウェアに黒以外は足元が浮く

形がストレートチップなら色は茶や白でもいーじゃないかと。

いやいやフォーマルウェアが黒いのだから靴も黒いのは当たり前。

おっしゃるとおりです。

足より上の服装が濃紺や黒の場合、黒以外の色の靴を合わせてしまうとかなり浮きます。

「 黒 」の意味

「 黒 」という色はその他全ての色を吸収している色という考えられています。

可視光と言われる人が見える範囲の光の色をすべて吸収した時に色は「 黒 」になります。

この考えを人に置き換えた時、「 すべての人を受け入れる 」という意味合いが込められている色です。

ビジネスシーンやカジュアルでカントリーシューズ等の茶靴もよく見られますが、あれは地面の土や草によく馴染むために考案された色という説があります。

これって「 自分本位 」の実用性のある色ですよね。

そのためフォーマルシーンには適さないんですね。

フォーマルウェアは相手への「 礼儀 」

基本的にフォーマルな装いは相手への「 敬い 」「 思いやり 」といった礼儀を表す装いになります。

以上のことからフォーマルシーンでは革靴の色が黒なんですね。

まとめ

以上の理由により

冠婚葬祭等でのフォーマルシーンでの靴は

黒い内羽根ストレートチップ

あるいは内羽根のプレーントゥ

が適したデザイン及び色になります。

黒の内羽根ストレートチップがフォーマルな理由

  1. イギリス王室がルーツ
  2. 見た目が上品で清楚
  3. 相手への礼儀

諸説ありますが以上ストレートチップについてでした。

少しでも参考になれたら嬉しい限りです。

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